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イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
(2001/07)
クレイトン・クリステンセン玉田 俊平太

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★★★★★

こちらもベストセラーになった本である。個人的には感動の連発だった。

なぜ優秀な経営者や優れた頭脳を持つ社員がたくさんいるエクセレントカンパニーが破壊的技術と遭遇した際にいつも負けるのか、過去の膨大なデータを検証し業界や製品、時代に関係なく、普遍的な法則としてそのメカニズム解き明かしている。

論文そのままのような形式・文体なので、この手の本を読み慣れてない人には少し読み難いかもしれないが、私には内容が気づきに満ちていて全く苦痛なく読めた。


まず破壊的技術というものが、必ずしも全く新しい革命的技術革新や飛びぬけて優れたものではなく、そのほとんどは既存技術の応用で、下位市場(低価格で機能の劣る製品、規模もその時点では小さく不安定な市場)からスタートしたもの、ということに驚きを受けた。


<以下は私が解釈した大企業がジレンマに陥るパターン>

持続的技術革新(高性能化や信頼性向上などの通常進化)では、その業界のリーダーたる大企業が豊富な資源と意欲を背景に高い確率で勝利を収めることが可能だ。

そしてその市場において、持続的技術革新が繰り返され、やがて顧客側の需要を供給側が凌駕するようになると、最終的には価格競争のみが残る。

そこで企業はより上位の市場を求め、さらに高い利益創出に邁進する、と言う形で競争市場は推移する。これは上位市場ほど顧客の需要が複雑かつ高度に、製品/サービスも高額で利益が比例して高くなるからだ。

しかし!破壊的技術革新が生まれるのは「下位市場」からであり、上述の一般的な上位市場への移行とは大きく違う。

大企業がこの破壊的技術革新に気づいても、通常の経営判断(市場予測(できないが)や投資対効果分析)では、その市場(下位)へ参入しようという判断は簡単にはでき得ない。

さらに上位の市場へ参入する場合と下位の市場へ参入する場合に必要な資源や市場のポテンシャルを定量的に比較分析すると、下位市場はあきらかに非効率で美味しくない市場に見えてしまう。 そしてタイムリーな参入の機を逃す。その下位市場が成長してからではもう手遅れで、すでに先行者優位を破壊的技術のイノベーターに築かれてしまっている。という状態になってしまう。

*遅れて参入したとしても、少ない利益でも成り立つコスト構造で市場が成長する前から戦ってきた企業には勝てず、撤退することがほとんどである。
(上位市場ほど高い利益率がでるため、その利益率(コスト構造)に合わせた価値観、オペレーション、プロセスになってしまっているため、価格競争で勝てない)

☆大企業がベンチャー企業などの小規模の企業に負ける所以がここにある。


では大企業にとって破壊的技術革新へ参入し成功するための条件はというと、先が読めない市場(売上予測が立たない)で、初期の低い売上げで勝負することに対して、足かせがなく、純粋にモチベーションを高く持って戦える(開拓できる)、完全に独立した組織を企業の外に持つことしかないと思う。

つまり既存の達成目標(株主に期待される成長率に見合った売上げ)や、組織や人事(失敗への恐れ、社員の花形事業への参加要求など)、既存の顧客(上位市場の顧客と下位市場の顧客では需要が全く違う。したがって顧客の声に耳を傾ける優良な企業ほど参入が遅れる)とは完全に切り離すことだ。

こんな形で納得してみたがどうだろう。



本書は著者の主張の背景にある膨大な調査、例えばディスク・ドライブ業界や鉄鋼業界、ホンダの北米市場進出時のエピソード等、どれも詳細すぎるほどで、読み物としても非常に読み応えがあって面白い。

本書は一見大手企業に勤める方向けっぽいが、大企業の弱点、行動原則がよくわかるため、ベンチャー企業に勤める人やもしくは起こそうと思っている人に強くお勧めしたい。


個人的には原書の“Innovatior's Dilemma”にもぜひ挑戦したいと思えるほどの良書です。
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