ブックマーク
  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)
(2008/01)
堤 未果

商品詳細を見る

★★★

本書は、実は前エントリーで紹介した「小さな人生論」を読む直前に読んだ一冊だ。

なぜ紹介の順序が入れ替わったかというと、

本書で書かれているアメリカの現状があまりにも酷く、人より企業、公益より経済、という「心」がない社会の様子がこれでもかと描写されていて、その後読んだ「小さな人生論」のすばらしさとの落差があまりにも大きく、そのため「小さな人生論」の感動度合いが2倍になったからだw

内容はアメリカの格差問題、貧困問題に関してインタビューを集めた単純なルポ、では終わっておらず、問題の裏側にある企業や国の論理からよく考察されている。

大枠としては、「医療」、「教育」、「軍事」、「災害救援」、「住宅」、「年金」などがアメリカ式新自由主義に基づく民営化や大企業の論理、グローバリゼーションによって変容し、それがどれだけ多くの人の生活を破産させたか、中産階級からワーキングプアへ転落した人を増やしたかが書かれている。

かなり悲惨な状況でショッキングなインタビューも多く、ショックを受ける人も多いと思う。そしてなにより読後一番不安になるのは、日本がアメリカ追従の末に同じ社会問題にぶち当たるのではないか、、、というものだ。

日本の医療や教育に関しては、いろいろ問題があるとはいえ本書を読む限りアメリカに比べたら今は天国と思える。だがこれは日本がその分巨大な財政赤字を毎年毎年垂れ流しているから成り立っているだけであって、全面的に日本の方がいいといえるかどうかはよく考えなくてはならない。

仮にアメリカが昔ながらのやり方を続けて「厚い公共サービスを提供する巨大な国家」を続けていたら財政破綻は見えていたし、さらに酷い世の中になっていたかもしれない。

非常に難しい問題だが、本書に書かれている内容だけでアメリカを全部理解したつもりになったり、日本最高と思い込むこともよくないので、ひとつの事実認識と今後を考えるトリガーとして読むにはよいルポタージュである。

特に小泉政権以降続く「小さな政府」という民営化の波は今も歓迎されてはいるが、ちょっと待てと、考えるきっかけにもなる一冊と思う。


個人的には自由資本主義を選択した限り、格差は広がり続け「民」の部分は増えると思う。 だけど「医療」や「軍事」、「防災」などの「命」がダイレクトにかかわる部分は国家による強い統制が必要であると考える。なぜなら経済的合理性や効率性だけでは守れないものが世の中にはたくさんあり、それこそ国家が市民の視点で考えて満たすべきものだと考えるからだ。

資本市場主義というか企業が入るべき部分と立ち入ってはいけない部分というのは、たしかに「ある」と考えるけど、どうだろう?

スポンサーサイト
  
コメント
コメントする









       
トラックバック
トラックバックURL
→http://sugax2007.blog32.fc2.com/tb.php/115-668f6f1c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


     
にほんブログ村 経営ブログ ビジネススクールへ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。