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小さな人生論 3―「致知」の言葉 (3)小さな人生論 3―「致知」の言葉 (3)
(2007/10)
藤尾 秀昭

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★★★★★

新幹線で読んで、はげしく心を揺さぶられた。

本書はAmazonのカテゴリーで人文・思想>哲学・思想>人生論で見つけた。

人生学というか人間学。生きる力を与えてくれる珠玉の言霊が詰まっていた。

思わず目が潤んだ、「縁」についての1節をまるまる引用しちゃいます。

長いけど、読めば絶対に心打たれると思う。ぜひ読んでください。


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 「縁を生かす」

 その先生が五年生の担任になった時、一人、服装が不潔でだらしなく、
 どうしても好きになれない少年がいた。
 中間記録に先生は少年の悪いところばかりを記入するようになってた。

 ある時、少年の一年生からの記録が目に止まった。
 「朗らかで、友達が好きで、人にも親切。 勉強もよくでき、将来が楽しみ」とある。
 間違いだ。他の子の記録に違いない。先生はそう思った。

 ニ年生になると、「母親が病気で世話をしなければならず、時々遅刻する」と書かれていた。
 三年生では「母親の病気が悪くなり、疲れていて、教室で居眠りする」。

 後半の記録には、「母親が死亡。希望を失い、悲しんでいる」とあり、
 四年生になると「父は生きる意欲を失い、アルコ―ル依存症となり、子供に暴力をふるう」。

 先生の胸に激しい痛みが走った。
 ダメと決めつけていた子が突然、深い悲しみを生き抜いている生身の人間として
 自分の前に立ち現れてきたのだ。

 先生にとって目を開かれた瞬間であった。

 放課後、先生は少年に声をかけた。「先生は夕方まで教室で仕事をするから、 
 あなたも勉強していかない?分からないところは教えてあげるから」
 少年は初めて笑顔を見せた。

 それから毎日、少年は教室の自分の机で予習復習を熱心に続けた。
 授業で少年が初めて手をあげたとき、先生に大きな喜びがわき起こった。
 少年は自信を持ち始めていた。

 クリスマスの午後だった。少年が小さな包みを先生の胸に押し付けてきた。
 あとで開けてみると、香水の瓶だった。亡くなったお母さんが使っていたものに違いない。
 先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。
 雑然とした部屋で独りで本を読んでいた少年は、気ががつくと飛んできて、
 先生の胸に顔を埋めて叫んだ。
 「ああ、お母さんの匂い!今日はすてきなクリスマスだ」

 六年生では先生は少年の担任ではなくなった。
 卒業の時、少年から一枚のカ―ドが届いた。

 「先生は僕のお母さんのようです。そして、今まで出逢った中で一番すばらしい先生でした。」

 それから六年。またカ―ドが届いた。

 「明日は高校の卒業式です。僕は五年生で先生に担当してもらって、とても幸せでした。
 おかげで奨学金をもらって医学部に進学することができます」

 十年を経て、またカ―ドがきた。

 そこには先生と出逢えたことへの感謝と、父親に叩かれた体験があるから、
 患者の痛みがわかる医者になれると記され、こう締めくくられていた。

 「僕はよく五年生の時の先生を思い出します。あのまま駄目になってしまう僕を救って下さった
 先生を、神様のように感じます。大人になり、医者になった僕にとって最高の先生は、五年生の
 時に担任 してくださった先生です」

 そして一年。届いたカ―ドは結婚式の招待状だった。

 「母の席に座って下さい」と一行、書き添えられていた。


 本誌連載にご登場の鈴木秀子先生に教わった話である。
 たった一年間の担任の先生との縁。
 その縁に少年は無限の光を見出し、それを拠り所として、それからの人生を生きた。
 ここにこの少年の素晴らしさがある。

 人は誰でも無数の縁の中に生きている。
 無数の縁に育まれ、人はその人生を開花させていく。
 大事なのは、与えられた縁をどう生かすかである。


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このような深く重く、そして尊い言葉が最後まで続く。本書を読むまで知りませんでしたが、本書は月刊誌の「致知」という人間学を扱った専門誌がベースになっています。(著者はその編集長)

そして本書はすでに第3巻。第1,2巻は読んでないので、ぜひ読んでみたくなった。


MBAがどうだ頭がいいとか悪いとか仕事ができるできないの前に、人として、まず鍛えるべきものは「心」である。そう強く思えた。



と、たまにはいいことも言ってみたりする。


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コメント
はじめまして
はじめまして。
私と志向性や考え方が近い方だな、と思っていつもROMっていました。
また、今年MBAに進学した点も一緒です!

今回、小さな人生論でツボに入った点も一緒だったので、小さな人生論その2で私が最も感動した「人生のテーマ」をお勧めします。
重度脳性マヒで言葉も字も書けない少年が表現した詩に涙腺をやられてしまいました。
よかったらご一読ください(また、「致知」もお勧めです)。

これからも早稲田MBAを始めとした記事を楽しみにしていますね。
---------- Ken [ 編集] URL . 05/17, 09:10 -----

コメントありがとうございます。
私もKenさんのブログはチェックしてましたよ^^

小さな人生論その1、2もさっそくAmazonで発注しました。
やはりサイエンスやテクニックだけじゃなく、アートな部分や心の部分も大事ですよね。


お互い仕事と学業を両立させるという難しい状況ではありますが、
成し遂げれば得るものは大きいと思うので頑張りましょう。

今後ともよろしくお願い致します!
---------- S.Hayato [ 編集] URL . 05/17, 14:43 -----

マイナー志向の私のブログをご覧になっていたとは。。。
お恥ずかしい限りです。

また、ひとつお詫びです。
Hayatoさんの今回のブログと「私塾のすすめ」を拝見し、良い本を先に紹介された軽い嫉妬心から、つい トラバもせずに記事を書いてしまいました。
大変失礼しました。

では今後ともどうぞよろしくお願いします。
---------- Ken [ 編集] URL . 05/18, 06:10 -----

まったく気にして頂かなくてOKですよ^^
私も他の書評ブロガーのエントリーを読書の参考にしたりすることもありますし。

いい本は気にせずどんどん薦めて広めていきましょう。
---------- S.Hayato [ 編集] URL . 05/18, 16:17 -----
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